目次
壊れることで、本当の自分が見えてくる
私は42歳のとき、子宮を全摘する手術を受けた。
20年間の看護師生活を手放し、起業することを決意した。
それまでの人生を振り返ったとき、今のままではいけないような気がした。
本当に好きなことや、やりたいことをしたい。
そう考えるようになった。
不思議なことに、うまくいかないかもしれないという不安はまったくなかった。
むしろ、こんなふうなサロンにしたいという明確なビジョンと、幸せに包まれるような喜びを感じていた。
だから、サロンが軌道に乗るまでは看護師のバイトをすればいい。
そんな風に気楽に考えていた。
だけど、そのとき私の前に現れたのは、まったく予想外の、再婚という出来事だった。
自分が思い描いていることの実現のために、思いがけないかたちでチャンスがやってくる。
それを、私は自分の人生で実感した。
今までとは違った人生。
本当の自分を取り戻したと感じていた。
しかし、その後、私はある選択をする。
起業塾に入ることだった。
起業塾では、「こうすべき」「こうしなければならない」「年商を上げるべき」という価値観が当たり前だった。
それは、看護師時代、もっと言えばそれまでの人生で培ってきた私の価値観と似ていた。
だから、その価値観に引き戻されるのに、多くの時間はかからなかった。
42歳のとき、退職・起業・結婚・引越しと、人生が大きく変わって、新しい自分になったような気がしていた。
でも、それは表面的な変化にすぎなかった。
根底の価値観は、まったく変わっていなかったのだ。
99点が許せなくなった私
私は、自分の心の奥にある無価値感や罪悪感に気づいていなかった。
好きなことを仕事にして、キラキラしている自分、人生の勝ち組だとさえ感じていた。
けど、私の心の奥の重い扉は、まだ開いていなかった。
「何かを手に入れなければ」と、欠乏感から行動していた。
欠乏感からの行動は、実を結ばないことが多い。
でも、私の場合は、執着があまりにも強かった。
何が何でも手に入れたいという想いが強すぎた。
その結果、私は無理やり、見せかけの成功を手に入れてしまった。
年商を上げ、人から「すごい」と言われ、外から見れば「成功」していたかもしれない。
でも、そんなものを手に入れても、幸せや喜びを感じられるはずはなかった。
いつも、緊張し焦燥感にさいなまれていた。
子供の頃、学年トップだった頃みたいに、99点が許せない自分に戻っていた。
けど、好きなことを仕事にしているという高揚感が、その思いに蓋をしてきた。
そんな日々が続くうち、私は次第に動悸に悩まされるようになった。
でも、それすら無視し続けた。
体調が悪くても、夢に向かっている私は素敵って思ってた。
全く見当はずれな考え方だった。
そして、母の死をきっかけに、私はついに心身のバランスを崩した。
今まで感じたことがないほどの不安に襲われ、普段の生活さえままならなくなった。
もう、偽りの人生を続けることはできなかった。
しかし、振り返ってみると、私の人生はもっと前から「偽りの笑顔」に向かっていたのかもしれない。
それは、あの春の日、夜空を一緒に見上げた彼との別れから始まっていた——。
偽りの笑顔のまま、私は自分を見失った
高校時代、私は飲食店でアルバイトをしていた。
そこで出会ったのが、夜空が好きな彼だった。
彼はよく月や星の話をしてくれた。
「満月の夜は人の感情が揺れやすいんだよ」
「星座には神話があってね……」
私は、彼の話を聞くのが好きだった。
夜空を見上げながら語り合う時間は、何よりも心地よいものだった。
初めて望遠鏡を覗いた日、月が驚くほどの速さで動いているのを見て、思わず息をのむ。
そこには、確かに命があるように感じたからだ。
彼もまた、星空に癒されていたという。
「夜空を見ていると、嫌なことを忘れられるんだ」
そう言って微笑んだ彼の横顔を、今でも覚えている。
やがて、二人で天文台を作る夢を語るようになった。
それが、未来につながっていると信じて。
高校3年の春休み、彼に呼び出された。
卒業したら結婚しよう——そう話していた私たち。
きっと、プロポーズされるのだと疑わず、私はおしゃれをして、待ち合わせの場所へ向かった。
けれど——
彼が伝えたのは、「入院することになった」の一言。
そして、その4ヶ月後。
私は、彼の手をもう二度と握ることはできなかった。
あの日の夜空が、急に遠のいていく気がした。
未来を見失った私は、母の勧めで全寮制の看護学校へ進学。
看護師になりたい気持ちはなかったけれど、家を出られることが魅力だった。
私は適当に志望動機を並べ、看護学生に。
でも、キラキラした年頃の同級生との寮生活は、息が詰まるほど苦しかった。
必要以上に明るく振る舞い、おしゃれをし、遊びに行く。
悩みのない自由な人間を演じることで、私は自分を守っていたのだ。
けれど、夜になると私の心は擦り切れる。
1日中、笑顔を貼り付けていると、ベッドのカーテンを閉める瞬間だけが唯一の安らぎになった。
彼を失った記憶は、深い闇に沈み続ける。
夜空を見ても、そこに彼はいない。
——絶望って、白いんだ。
心からそう感じた。
青春を演じれば演じるほど、大切なものがこぼれ落ちていく。
誰かの人生を生きるように、自分の気持ちから目をそらし続けた。
その生き方は、私にはもう、限界だった。
しかし、時を経て訪れた母の死は、その限界をやすやすと超える最後の1滴になった。
月の記憶の扉が開くとき~私を助けてくれたもの
心と体がバラバラになったような感覚。
母の死をきっかけに襲ってきた、不安、焦り、虚無感。
私はこれまで、「こうすべき」「こうでなければならない」という価値観の中で生きてきた。
でも、その生き方は限界を迎えていた。
私はあらゆるものを試した。
整体や自律神経のケアなど 体からのアプローチ、インナーチャイルドセラピーをはじめとする 心を癒すセラピー、心療内科、更年期外来。
どれも一瞬の安心はくれるけれど、本当の意味で心と体を軽くするものではなかった。
そんな中、あるとき私は自分の口から出た言葉にハッとした。
「私はどうなりますか?」
その瞬間、自分の人生を誰かに委ねようとしていたことに気づいた。
このままじゃいけない。
私の中で何かが動き始めた。
その日、久しぶりに自分のホロスコープを開いた。
そこには 今の私の状態がそのまま映し出されていた。
「だから、こんな気持ちになるのか」
「今の変化にはちゃんと意味があるんだ」
そう思えたことで、心がふっと軽くなった。
星たちは、まるで静かに寄り添いながら「あなたは、この流れの中にいるよ」と教えてくれていた。
私を本当の意味で助けてくれたのは、 占星術の星の時期表示 だった。
そして、もうひとつ。
それは 自分が過去に綴った言葉 だった。
なぜか書きたくなった物語。
それは、全くのフィクションだったけど、言葉に乗っている想いは、私のものだった。
そこには、迷いながらも前を向こうとしていた「過去の私」がいた。
それらの言葉は、まるで 未来の私に向けたメッセージ のように響いた。
私は、本当は知ってたんだ。
どんなに迷っても、どんなに道を見失っても、 本当の自分は、ずっと自分の中にいたって。
占星術は、自分を守るためのものだった
私はずっと、「正しく生きなければならない」と思っていた。
他人に評価されること、認められることが、価値のある人生だと信じてた。
でも、占星術は違った。
星たちは、「こうしなさい」と指示するわけでもなければ、 「これが正解だ」と誰かの基準を押しつけるわけでもない。
ただ、「今のあなたはこういう流れにいるよ」 と、そっと教えてくれるものだった。
無理に頑張る必要も、誰かの期待に応える必要もない。
ただ、自分がどこに立っているのかを知ることができる。
それは、まるで 大きな海を航海する時に、星を頼りにするようなものだった。
私は、これまで不安の中で揺れながらも進んできた。
けど、星の声に耳を傾け、自分の可能性を信じることで、進むべき道が見えてくる。
占星術は、誰かの評価を得るためのものじゃない。
私が私を守るためのものだったのだ。
かたくなに守ってきたものを、ようやく手放した
私は、ずっと心の奥に抱えてきたものがあった。
それは、「自分には価値がない」という思い。
生まれてこなければよかったと、無意識に感じていた。
この思いは、知らず知らずのうちに、私の体を蝕んでいた。
心と体がひとつであることを、どれほど長く忘れていたのだろうか。
やがて、体の変化が私に教えてくれた。
「本当の自分と向き合わなければならない」ということを。
私は、自分を受け入れることを恐れ、 他人の期待に応えることで、自分を守ろうとしてきた。
でも、それがどれほど苦しく、切ないことだったのか。
そして、ようやく気づいた。
本当に大切なのは、 「自分を生きること」 なのだと。
揺らぐ日常のなかで 〜中年の危機のサイン〜
話をあなたの今に戻そう。
あなたはある日、ふと気づく。
昨日まで当たり前だったものが、そばにないことに。
身体は思うように動かず、些細な疲れが抜けない。
若さの輝きがゆっくりと影を落とし、かつて気にもしなかった体の変化に戸惑う。
気力だけでは乗り越えられない波が、静かに押し寄せる。
家の中は変わった。
いつも響いていた声が、今はもう聞こえない。
小さな手を引き、名前を呼び、忙しく過ごした日々は遠ざかり、気づけば巣立ちの風が吹いていた。
「母でも妻でもない私は、誰?」
空になった部屋と、満たされていたはずの心の隙間が、ぽっかりと空いている。
人は誰かとつながりながら生きていく。
けれど、その絆も変わっていく。
友達と笑い合った時間も、気づけば遠ざかり、価値観のずれが距離となることもある。
愛した人が、もう二度と戻らない場所へ旅立つこともある。
それに、もしかしたら仕事を失う日が来るかもしれない。
数字が減っていくたびに、不安が静かに忍び寄る。
お金がすべてではないけれど、生きるために必要だったものが、これほど簡単に消えてしまうことがあるなんて——。
これまで積み上げてきたものが崩れたとき、人は戸惑い、立ちすくむ。
かつては難なくできたことが、今はできない。
どれだけ手を伸ばしても、もうそこには届かない。
「このままでいいの?」
あなたは、心の中で問いかける。
今まで必死に取り繕ってきたものが壊れる。
あなたは、ずっと頑張ってきた。
誰かの期待に応えようと、自分を奮い立たせてきた。
「こうあるべき」「こうしなければ」と、自分に言い聞かせながら、必死に歩いてきた。
でも、ある日ふと気づく。
それが、 もう自分を支えてくれなくなっていることに。
仕事でも、家庭でも、人間関係でも、これまでうまくやってきたつもりだったのに、なぜか今はどこかちぐはぐで、ぎこちない。
これまで大切に守ってきたものが、少しずつほころび始めているのがわかる。
それはまるで、ずっと身にまとっていた服が、もう体に合わなくなってきたような感覚。
以前はしっくりきていたのに、今は窮屈で、重くて、もうこれ以上着続けることができない。
「これが私なんだ」と信じてきたものが、音を立てて崩れていく。
キャリア、立場、家族の中での役割、人との関係性——
それらが少しずつ変化し、自分の手のひらからこぼれ落ちていく。
それは決して楽なことではない。
時には、強い喪失感に襲われることもある。
そして、あなたはふと、我にかえる。
「これまでの私は何だったんだろう?」と。不安でたまらなくなることもある。
でも、それは、あなたを壊すことが目的ではない。
本当のあなたへと戻るために、 もう必要のないものが手放されているだけ なのだ。
変わることは怖い。
でも、変わらないままでいることのほうが、もっと怖い。
だから、もし今、何かが崩れそうになっていると感じているのなら、安心して身を委ねて欲しい。
それは、新しいあなたに生まれ変わるためのサインなのかもしれないのだから。
喪失の先に、新しい光がある
喪失は、
あなたの喪失は、
人生の終わりではない。
それは、立ち止まり、もう一度、あなた自身を見つめるための時間。
好きだと思って手元に置いていたものは、本当に自分の人生を支えるものだったのか?
今まで大切にしてきたものは、本当に「自分」だったのか?
あなたは、長い時間をかけて「こうあるべき」自分をつくりあげてきた。
強く、賢く、優しく、まわりに認められるあなた。
けれど、その陰で、見ないふりをしてきたあなたがいる。
泣きたくても笑ったあなた。
怒りを飲み込んだあなた。
弱さを隠し、頑張り続けたあなた。
いつしか、そのすべてを 「本当の自分ではない」と思うようになっていた。
でも、実はどれも あなたの大切な一部だった。
否定したものも、抑え込んだものも、すべて抱きしめたとき、あなたという存在が満ちていく。
苦しかった日々、乗り越えた痛みの中に、あなたの魂が求めていたものがあったのなら。
今までの経験が、すべてあなたを導くためのものだったのなら。
失ったものの先に、まだ見えていない何かがあるのだとしたら。
この静けさの向こうに、新しい光が差し込むのだとしたら。
すべての経験の意味を取り戻し、本当の自分を生きることを、もう迷わないで。
今はただ、その一歩を踏み出してみて。
変化を受け入れた先にあるもの
あなただけではなく、誰しも年齢を重ねるごとに、価値観や人間関係は自然と変化していく。
だから、変化に抵抗するのではなく、その変化を受け入れてこそ、本当の自分を取り戻すことができる。
その時は、今まで抑圧してきた自分を、優しく、ゆっくりと解放すること。
ふと気づく。
すると過去のあなたが、未来のあなたへとそっと手を伸ばし、こう語りかけることに気づくはず。
「よくここまで来たね」
「どんなに苦しくても、あなたはちゃんと歩いてきたよ」
あなたは、自分の歩みを否定していたわけじゃない。
ただ、どこに向かえばいいのか分からなくなっていただけ。
すると、星の言葉と、過去のあなたが綴った言葉が、そっとあなたの背中を押し始める。
「大丈夫。そのまま進んでいいよ」
置き去りにしてきたあなた自身を取り戻すことが、中年の危機を本当の意味でのギフトに変えるのだ。
私は、かたくなに守ってきたものを手放した。
そして今、あなたはその胸の鼓動を感じながら、小さくても確かな一歩を踏み出す。
まるで優しい灯火のように、あなたの道を照らす新しい光の中へ。
あなたの経験が導く、あなただけの道
中年の危機の乗り越え方は、人それぞれ違う。
ある人は新しい風を求めて旅に出る。
ある人は静かな場所で、自分の心の声に耳を澄ます
誰かの正解が、あなたの正解とは限らない。
だからこそ、答えは外ではなく、自分の歩いてきた道の中にある。
あなたの人生の中に、 あなたが乗り越えてきた夜があり、 あなたが選び取ってきた朝がある。
そのひとつひとつが、あなたをここまで運んできた。
未来は、過去を切り捨てた先にあるのではなく、過去を抱きしめ、超えた先にある。
痛みも、迷いも、すべてを糧にして、 あなたは次の扉を開いていく。
どんな時も、あなたの歩いてきた道が、あなたのこれからを照らしている。
だから、どうか忘れないで。
あなたが積み重ねてきた時間の尊さを。
あなたの心の奥に宿る、確かな光を。
もし、どこへ進めばいいのかわからなくなったら、ふと夜空を見上げてほしい。
星たちは、そっと囁いている。
「あなたの歩幅で進めばいいよ、ちゃんと見守っているから。」と。
無理に急ぐことも、誰かの期待に応えることもない。
ただ、あなたのペースで、あなたの道を歩いていけばいい。
それでも、もし、迷ったなら——
いつでも、月の記憶の声を聴きに来て。
今すぐ、あなたの「月の記憶」をひも解く旅へ
もしもあなたが
「もっと自分を知りたい」
「過去の記憶と向き合いたい」と思ったら
あなたの「月の記憶」を一緒にひも解いていきませんか?
ワーク付きの無料メール講座を、ご案内します。
なお、5日間の無料メール講座では、あなたが気軽に試せる次のようなワークを通じて、月の記憶と向き合う方法をお伝えします。
✔︎「月の記憶」をひも解くためのワーク
✔︎ 過去の感情に気づき、癒すためのヒント
✔︎ 繰り返すパターンを見つめ直し、未来を変える方法
あなたが送ってくれたワークの気づきには、すべて私が返信します(無料)。
1人で悩むのではなく、一緒に月の記憶をひも解いていきましょう。
さぁ、あなたも「本当のあなた」に出会う旅を、今すぐ始めてみませんか?