ピンクの物語 ― 星の遺言と月の記憶に導かれて
みぶきえみです。
あなたは、どこから来て、どこへ向かっているんだろう。
その問いの答えは、言葉にはしづらいけれど、ときどき、心の奥でふと思い出すことがある。
たとえば、誰かのぬくもりにふれたとき、懐かしい香りが風に乗って届いたとき、月の光に照らされながら涙がこぼれたとき、
その瞬間、理由もなく、「ああ、私は今、ここにいる」って感じる。
それはきっと、魂がふるさとを思い出すような感覚。
遠い記憶、でもたしかに胸の奥にある場所。
そこは、ピンクの光に包まれている、優しさと安心が、静かに広がっていく。
探さなくていい、ただ感じていればいい、その場所は、いつも心の中にあるから。
そして、その故郷は――ピンクの場所。
ピンクの故郷が象徴しているのは、安心感、無条件の愛、優しさ、そして本当の自分。
それは、誰かに「こうであってほしい」と求められる前の、まだ傷も鎧もないころの自分。
赤ちゃんのときのような、ただ「いるだけで愛されていた」記憶。
でもそれは過去のことだけじゃない。
今も、これからも、内側にちゃんとあるもの。
日々の忙しさや社会の期待にまぎれて、忘れてしまいそうになるけど、ふとした瞬間に、じんわりとよみがえる場所。
ピンクは、女性性や受容、やわらかさ、心の奥のふるえるような感情を包み込む色。
人と比べず、頑張らず、ただそこにいるだけで満たされる。
そんな魂の原点。
だから、ピンクの故郷は、愛の記憶であり、揺るがない居場所。
それは、自分を優しく抱きしめるためのイメージの風景なんだと思う。
目次
始まりはピンク
生まれたとき、あなたも私も、みんなピンク色の世界からやってきた。
子宮という名の、愛に満ちた小宇宙から。
そこは、何かを頑張らなくてもよかった場所。
何も証明しなくても、ただ存在するだけで祝福されていた。
心臓の音、あたたかさ、やわらかい水の中、守られていることが、当たり前だったあの世界。
そのときのあなたは、自分を疑うことなんて知らなかった。
ただここにいて、愛されていると信じていた。
私であることそのものが、喜びだった。
でもいつしか、成長するにつれて、名前を呼ばれ、役割を与えられ、優等生でいようとしたり、期待に応えようとしたり、「ちゃんとしなきゃ」「うまくやらなきゃ」そんな声が、あなたの心を少しずつ固くしていった。
気づけば、あの柔らかい記憶は遠くなって、ピンクの温かさは、胸の奥にしまい込まれてしまった。
でも、それは消えたんじゃなくて、ただ少し、静かに眠っているだけ。
あのピンクの故郷にいた頃の、自分の丸ごとの存在感、その柔らかさは、今もちゃんとここにある。
取り戻すんじゃなくて、ただ思い出せばいい。
本当のあなたは、ずっとそこにいるから。
それでも、消えない記憶がある
それでも、消えない記憶がある。
ピンクの記憶は、心のいちばん奥に、そっとしまわれている。
とても繊細で、手触りは羽のように優しくて、でも確かに、そこにある。
あなたは、愛された記憶を覚えてる。
抱きしめられるでもなく、何かを言われるでもなく、けれど全身で感じていた、ここにいていい、という安心。
だからこそ、人は大人になっても、どこかでずっと探してる。
あの包まれるような感覚を。
思い出せないほど遠くにあるのに、なぜか忘れられない、あの感触を。
本当の自分を思い出したくて
ありのままの存在が祝福されていた、あの始まりの場所へ
いつかもう一度、還りたくて
そしてきっと、それはどこか外にあるのではなく
あなたの中に今も息づいてる
ふと涙がこぼれそうになるような夜に
そっと手を当ててみて
心の奥が、微かにふるえるその瞬間こそ
ピンクの記憶が、あなたに触れている証だから
星の遺言 ― 亡き人から届く光
そして、そんなあなたに、星が語りかけてくる。
生きていた誰かの思い。
言葉にならなかった想い。
最後に残したかった願い。
それらは、死によって消えてしまうのではなく、空に還って、星になる。
夜空に瞬く光のひとつひとつが、もしかしたら誰かの生きた証かもしれない。
遺されたあなたに、そっと語りかけているのかもしれない。
ひとりじゃないよ、そのままで大丈夫、ちゃんと見てるよ、そばにいるよ。
星の遺言は、亡き人の言葉なき手紙。
時間を超えて届く、魂からの贈りもの。
月の記憶 ― 感情のふるさと
一方で、月はあなたの心のうつろいや儚さを映し出す。
それは、言葉にできない感情の記憶。
誰にも言えなかった傷。
ふいに胸を締めつける寂しさ。
誰かにわかってほしかった想い。
月はすべてを受け止めて、そのリズムで、私たちを包み込む。
欠けて、満ちて、また欠けて、また満ちていく。
それは、人間の心のサイクルととてもよく似ている。
だから月を見ていると、ほっとする。
「これでいいんだ」って思える
完璧じゃなくても、強くなくてもいい。
弱さも、揺らぎも、愛しいものとしてそこにある。
ピンクの物語を生きる勇気
ピンクの物語とは、あなた自身をまるごと生きる物語。
他の誰かになろうとしなくていい。
自分の過去も、涙も、願いも、すべてが物語の一部だと受け入れる勇気。
それは、星と月の優しい光に導かれながら、今ここにある自分をもう1度抱きしめる旅。
過去を癒しながら、未来に光を灯しながら、今という瞬間を味わい尽くしていく生き方。
それが、ピンクの物語を生きるということ。
終わりもまた、ピンクに還る
命が終わるとき、私たちはどこへ行くのか。
それは、またあのピンクの場所に還ることなのかもしれない。
始まりと終わりはひとつの円。
愛に包まれて始まり、愛に抱かれて終わる。
そしてきっと、その途中にあるのが「人生」つまりピンクの物語そのもの。
今を生きるあなたへ
あなたの物語もまた、美しいピンクで彩られている。
星があなたを導き、月があなたの感情に寄り添い、そして、あなた自身の選択が、世界を描いていく。
その1歩1歩が、愛に満ちた意味のあるものだと、あなた自身が感じられるように。
今、この瞬間も物語の途中。
あなたの人生は、すでに美しいピンクの物語。
星が照らす未来、月が語る感情の深み、そして、あなた自身が今この瞬間に選ぶ心のあり方。
全部が重なって、今日もまた、この世界にたったひとつの、かけがえのない物語の新しいページがめくられていく。