過去へ向かう飛行機

幼馴染の葬儀の後、僕は今まで感じたことがないような、言葉では言い表せない、気持ちになっていた。

⁡普段とは違った、心理状態だっただろう。

久しぶりに訪れた、子供の頃に住んでいた場所。

誰かと話す気にもならず、そのまま帰る気にもならなくて、川土手を歩いていた。

しばらくして、僕はベンチに座り、穏やかに流れる川と、向かい側のビルや古いお店を眺めていた。

少し心を落ち着けようと、目を閉じて、ひと呼吸した瞬間、脳裏に、古ぼけた赤と白の飛行機の映像が浮かんだ。

ゆっくり目を開けると、目の前のビルのすぐ上を飛ぶ赤と白の飛行機。

ゆっくりと南に向かって、消えていった。

目を閉じる前には、飛行機なんて飛んでなかった。

どこから、やって来たんだろう?

子供の頃、デパートの屋上にあったような、そんな懐かしさだった。

周囲の景色は、何ひとつ変わっていない。

だけど、あの飛行機は、僕の気持ちを、過去へと連れていった。

今、ここにいるはずなのに、身体の感覚は、子供の頃に感じた、懐かしさで包まれていた。

決して取り戻すことができない、時間だと思っていたのに、体はその感覚に馴染んでいた。

再び、川土手を歩き始めると、何だか嬉しい気持ちになっていた。

誰かと別れることは、悲しく辛いことだ。

だけど、彼は自分の人生を、生き切った。

はっきりと、そんな感覚が、やって来たからだ。

いつか、僕が君の場所に行くまで、もう少し、ここで遊んでいこう。






Healing Space Cynthia シンシア
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