ひとりぼっちのお月さま

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お月さまとお星さまたちは、暗いお空で仲良く暮らしていました。

ある時、お星さまのひとりが言いました。

「お月さまだけ、夜空を独り占めしてずるい!」

すると、他のお星さまたちも、言いました。

「そうだ、そうだ」

「ずるい!」「あっちいけ!」「邪魔だ!」と、言われるけるうちに、お月さまは小さくなっていきました。

そしてある時、お月様の姿が、見えなくなりました。

お星さまたちは、「お空が広くなった」と、楽しそうに、遊んでいました。

お星さまのひとりが、言いました。

「お月さま、どこに行ったんだろう?」

他のお星さまが言いました。

「でも、これでみんな一緒。」

大きなお月さまがいなくなると、お星さまたちが、よく見えるようになりました。

そして、お星さまにも、いろんな形や色があることに、気づきました。

あれ、僕たちって、同じじゃない。

みんな、色も形も違うんだ。

お月さまだけが、違ったわけじゃないんだ。

僕たちは、色や形が違っても友達だよね。

だったら、お月さまも、友達だよね。

僕たち、ひどいことしちゃった。

お月さまを、探さなきゃ!

そんなお星さまたちを見ていたフクロウの先生は、こう言いました。

「いいことに気づいたね。みんな違っていいんだよ。違うから、素晴らしいんだ。」

「僕たち、みんな一緒じゃないといけないって思ってた。」

「僕たち、お月さまを仲間外れにしちゃったんだ。」

「だから謝りたいんだ。」

フクロウ先生は言いました。

「みんなで手分けして探してごらん?お月さまも、みんなに会いたいはずだよ。」

「お月さま、いませんか?」

お星さまたちは、手分けをして、探し始めました。

だけど、どこを探しても、お月さまはいません。

お星さまたちは、お空を探し始めました。

「お月さま知らない?」

「お月さま見なかった?」

その頃お月様は、目立たないように、体を細くしたままで、夜空の星座の中に、隠れようとしていました。

でも星座たちはこう言いました。

「星座が壊れちゃうから、あっち行って」

北斗七星のひしゃくの中に入っても

「じゃなだからあっち行って」と、追い出されました。

僕はどこへ行っても嫌われ者。

独りぼっちなんだ。

お月様は大きな涙を流しました。

その涙は、お空に雨を降らせ、お星さまのもとにも届きました。

そして、お星さまはお月さまを、見つけることができたのです。

「僕たちが悪かったよ」

「お月さまがいなくなってから、僕たちもみんな違うって気づいたんだ。」

「お月さま、丸くても、大きくても友達だよ。」

僕たちが仲間はずれにしたから、お月さま、小さくなっちゃったんだね。

僕たちが、お月さまに、光を分けてあげよう。

お星さまの光をもらって、お月さまはだんだんと、元気を取り戻しました。

お月さまが丸くなるにつれて、今度はお星さまたちが、輝きを失っていきました。

お月さまは言いました。

「今度は僕が、お星さまに光を分けてあげよう」

こうして、お月さまは、お星さまに光をもらって丸くなり、お星さまは、お月さまに光をもらって、輝くようになりました。

お月さまとお星さまは、お互いに光を分けながら、仲良く空を照らすようになりました。

月が満ち欠けをして、新月の日には満天の星、満月の日には、星がよく見えなくなるのには、こんなお話があったのです。