ゆるしと癒しの占星術〜あなたが主人公の物語を紡ぐ星たち
目次
ゆるしって?
ゆるしとは、忘却でも妥協でもない。
それは痛みを消そうとすることでもなく、過去をなかったことにすることでもない。
むしろ、傷ついた自分の声に耳を傾け、重さを抱きしめること。
涙や怒り、孤独もすべてを抱きしめながら、少しずつ心を解きほぐす行為である。
ゆるしは、外の世界に向けた行為ではなく、内なる魂の旅。
潜在意識の奥深くに刻まれた痛みや記憶に光を当て、静かに受け入れることで、私たちはやがて愛に還る。
それは決して急がず、強制せず、穏やかに自分を包み込むような時間。
傷の奥に潜む光に気づき、潜在意識とつながりながら、再び自分自身とつながるための道である。
ゆるしの旅の終わりにあるのは、怒りも悲しみも隔たりも溶け、ひとつの命として呼吸する本当のあなた。
ギリシャ神話の世界
ギリシャ神話の神々は、まるで人間のようだった。
嫉妬し、怒り、恋におち、 時に裏切り、時に人を罰し、 ひどいときには、自分の子供さえ食べてしまう。
完璧で聖なる存在ではなく、 むしろ、弱さや未熟さを持った存在として描かれていた。
そんな神様たちの物語を知ったとき、 私はふっと肩の力が抜けた。
家庭に恵まれた友達を、羨んだり、妬んだり、怒ったり、そんな私の人間らしさも、許されていたのだと感じた。
占星術とは、そんな人間らしさに光を当てるものなのかもしれない。
美しさも、歪みも、全部ひっくるめて、その人らしさなのだと教えてくれる。
私の人生このままでいいの?
私の人生、このままで本当にいいのだろうか。
そんな問いが心に浮かんだことはないだろうか。
多くの人が、ふとした瞬間に立ち止まり、自分の人生を見つめ直す時がある。
それは、忙しさの中では見えなかった「本当の自分」の声が、静かに、けれど確かに、胸の奥から響いてくる瞬間でもある。
私にも、そんな時期があった。
30代、シングルマザーとしてふたりの息子を育てる毎日は、目まぐるしく過ぎていった。
自分のことを考える余裕などなく、ただ目の前の責任を果たすことで精一杯だった。
けれど、子育てが少し落ち着いた頃、こんな想いが胸に広がった。
「私の人生、今のままでいいの?」
その問いに向き合う勇気が出なかった時、ふと思い出したのが、10代の頃に夢中になっていた、星の世界だった。
あの頃、占星術は未来の希望を教えてくれる光だと思っていた。
けれど学びを深めていくうちに、わかったことがある。
星は、決められた未来を教えるものじゃない。
星は、あなたの中にある才能の種を見つけ、どう育てていくのかを教えてくれるものなのだ。
未来を知っても、幸せにはなれない
時々、こんなことを言われる。
「占星術って未来がわかるから、楽に生きられるんですよね?」
答えは、NO。
ホロスコープには、確かにチャンスのタイミングや、追い風が吹く時期を見つけることができる。
けれど、そのチャンスを生かせるかどうかは、あなたの心と行動にかかっている。
今の自分を見ようとせず、ただ、来年は運が良くなるからと、未来ばかり見ているのは、現実から逃げているに過ぎない。
未来を創るのは、いつも「今」の選択。
その選択が、どんな思いから出てきたものなのか。
もしかしたら、あなたの中には、まだ癒されていない感情や、認めてもらえなかった想いが、眠っているのかもしれない。
「癒し」の鍵は、あなたの月の記憶
星の中で、最も私たちの心に寄り添ってくれるのが月。
月は、心の奥にある、記憶の貯蔵庫。
生まれてから今まで、どんなふうに愛されたか、どんな言葉で傷ついたか、 そして、どんな自分を隠してきたのか。
すべてを知っているのが、あなたの月なのだ。
この月の記憶に触れることで、抑え込んできた感情や、本当は求めていたけれど諦めてきた願いが、そっと浮かび上がってくる。
その感情は、責められるべきものではない。
むしろ、長いあいだよく耐えてきたあなた自身を、抱きしめてあげるべきものだ。
あなたの月が語る声に、耳を澄ませてみてほしい。
月はあなたを責めたりしない。
優しく寄り添い、今までの人生をねぎらってくれる。
キロンが教えてくれた「赦し」
キロンは、癒しの星と呼ばれている。
それは、癒えない傷を抱えながらも、他者を癒す力を持つという、ギリシャ神話のケンタウロスから来ている。
キロンが示すのは、痛みそのものではなく、痛みの奥にある力だ。
私たちがずっと抱えてきた傷、たとえば、親に認めてもらえなかった想い、人間関係で感じた喪失、過去の失敗。
そうした心の傷は、癒されることを求めながらも、長くそこに留まり続けてしまう。
けれど、キロンが教えてくれるのは、その傷を赦した時に、光が差し込むという真実である。
誰かを赦すことは、あなたの中に閉じ込めていた怒りや悲しみに、そっと手を伸ばすこと。
そして、あなたを赦すことは、過去の選択を否定するのではなく、それすらも必要な体験だったと認めてあげること。
そのとき、星の才能はゆっくりと目を覚まし、人生に新しい風が吹き始める。
親を赦すということ
親を赦すとは、いったいどういうことだろう。
完璧な愛を与えてくれなかったこと? 傷つくような言葉を投げたこと? そばにいてほしかった時に、そこにいなかったこと?
幼い頃の心は、それを、愛されなかったと記憶してしまうことがある。
けれど、大人になった今、もしも、親のホロスコープに向き合うことができたなら、 そこには思いがけない姿が浮かび上がってくる。
父も母も、ただ「親」という役割を演じていたのではない。
不完全で、不器用で、でも懸命に生きた、ひとりの魂だったのだ。
ホロスコープの中には、 叶えられなかった夢や、癒されなかった傷、 そして、言葉にはできなかった愛のかけらが、確かに刻まれている。
たとえば、感情をうまく表現できなかった月。
責任感の強さゆえに自分を追い込んでいた土星。
若い頃に自由を求めながら、それを手にできなかった天王星。
その星たちを見つめると、私の親は、こんな人生を歩んでいたのか と、心が開いていく瞬間がある。
怒りや悲しみの奥にあるのは、本当は、わかってほしかったという想い。
愛してほしかったという願い。
でも、それは親の側にも、同じようにあったのかもしれない。
親が生きている場合の赦し
必ずしも直接会って話すことや、言葉を交わすことだけじゃない。
時には距離を置き、心の中で向き合うことが赦しの始まりになることもある。
親との関係に深い傷や誤解があるとき、直接会うことがかえって痛みを増すこともある。
そんなときは、無理に和解しようとするのではなく、自分の心が安全に感じられる距離感を保つことが大切だ。
自分の感情を丁寧に見つめ、怒りや悲しみを認め、少しずつその感情を手放していくプロセスこそが、心の赦しである。
赦しとは、相手の行動を正当化することではなく、過去の痛みを抱えた自分を解放し、前に進むための選択だ。
親が生きている間に赦しの扉を開くことができれば、関係性に新たな風が吹き込むこともある。
親が他界している場合の赦し
もう直接会って話すことは叶わないけれど、星の声やホロスコープを通して、親の魂に触れることができる。
星は、その人の人生の軌跡や心の深い部分を映し出し、親の生きた証や抱えていた痛みを伝えてくれる。
亡くなった親の星の声に耳を澄ませることは、過去の誤解や怒りを超え、親という、ひとりの人間に出会う時間である。
その過程で、親もまた不完全で、時に傷つきながら必死に生きていたことを知り、赦しの気持ちが静かに広がっていく。
赦しは、過去に縛られた自分を解き放ち、今を生きる自分を迎えに行く旅でもある。
生きている親に向ける赦しも、亡き親に向ける赦しも、根底にあるのは、あなた自身の、心の平和を取り戻すことだ。
何度も、頭の中に流れてくる言葉がある。
「私を愛してくれたのだろうか?」
その問いの先に、こんな答えがある。
「うまく愛せなかったけれど、確かに愛していた瞬間があった」
それは、ホロスコープという魂の地図を通して初めて受け取ることができる。
親を赦すとは、親を完全な存在として肯定することではない。
親を、ひとりの人間として見つめ直すこと。
その人の人生の重さや限界、そして魂の物語に、そっと寄り添うこと。
そしてそれは、過去を赦すだけでなく、 今のあなたが、あなた自身の人生を生きる力を与えてくれる。
自分をゆるすということ
自分をゆるすって?
失敗を繰り返したこと?
人を傷つけてしまった記憶?
本当はやりたくなかったのに、無理に笑顔で振る舞ったあの日のことかもしれない。
私たちは、ときに自分に厳しすぎる。
できなかったことばかりを数え、潜在意識の深い場所で、まだ足りないって自分を責め続けてしまう。
けれど、もしも、あなた自身のホロスコープに向き合うことができたなら、そこには別の姿が浮かび上がってくる。
失敗や弱さを抱えながらも、懸命に歩いてきたひとりの姿。
ただ、完璧な私を演じようと必死だった存在。
星々の中には、叶えられなかった夢や、まだ癒えていない傷、そして誰にも伝えられなかった願いが、刻まれてる。
たとえば、不安を隠そうとした月。
傷を抱えながらも癒そうとしたキロン。
夢や希望に惑いながら追い続けた海王星。
それらはすべて、潜在意識の奥であなたを支えてきたエネルギーの姿でもある。
その星たちを見つめたとき、あなたは自分に対しても、こんなに頑張ってきたのか、と心がほどけていく瞬間がある。
怒りや後悔の奥にあるのは、本当は認めてほしかったという想い。
愛されたいと願っていたのは、他の誰でもなく、あなた自身だった。
そして今、その願いに応えてあげられるのは、あなただ。
潜在意識に眠るその想いをやさしく受けとめたとき、ゆるしは始まる。
ゆるすことから始まる新しい生き方
それは、過去をなかったことにする生き方じゃない。
むしろ、過去のすべてを自分の一部として抱きしめていく生き方だ。
潜在意識の中に刻まれた記憶や感情は、表面では気づかないけれど、あなたの行動や思考を支配している。
傷ついたあなたも、弱さを隠してきたあなたも、あのときの選択に悔やむあなたさえも、ひとつ残らず含めて。
すると、不思議なことに、心の中で、敵だった自分が、少しずつ、仲間に変わっていく。
自分を守ろうとして失敗したあなた。
人に愛されたいと願って空回りしたあなた。
諦めながらも、それでも歩みを止めなかったあなた。
そのすべてが、潜在意識の中で蓄積され、今の私を形づくる大切なピースだったのだと、気づいていく。
ゆるしの先にひらけるのは、安心と自由である。
もう、誰かと比べなくてもいい。
もう、正しさだけに縛られなくてもいい。
ただ、心が求める方向へと歩むことができる。
その歩みは、小さな一歩かもしれない。
けれど、その一歩のたびに、潜在意識も少しずつ書き換わり、人生はゆっくりと、光を帯びていく。
ゆるすとは、過去に線を引くことじゃなく、未来へと続く道を照らし、潜在意識の中の古い痛みを解き放つこと。
その道の先に待っているのは、ようやく出逢う本当のあなた。
あなたの人生を生きるということ
In the Pink、それは「心身ともに健やかで、幸せな状態」を表す言葉。
星の声を聴くことは、まさにそのIn the Pinkな生き方に向かうための道しるべになる。
人生の節目を迎え、50代を過ぎてから星に触れる意味は、ただ星の意味を知るためだけじゃない。
むしろ、それまで積み重ねてきた人生の経験を、より深く理解し、未来への希望を見つけるためにある。
そんな時間が、あなたの内側を、整えてくれる。
星が経験を促し、経験が星を育てていく。
それは、占星術の最も美しい循環である。
「私の人生、このままでいいのだろうか?」
その問いに、もしあなたが耳を傾けたなら。
きっと、それはあなたの中に眠る「赦しの扉」が、そっと開き始めたサイン。
そして、あなたの星は、いつでもその扉の向こうに光を灯しながら待っている。
もう一度、自分を迎えに行く旅。
あなたが主人公として歩む人生の物語を、新たに紡ぎ直す旅が、始まろうとしている。
その先に広がるのは、星とともに歩む、しなやかで豊かなIn the Pinkな人生だ。
ゆるしの占星術 基本理念
ゆるしとは、忘却でも妥協でもない。
それは、痛みと共に生きる自分を受け入れ、愛に還るための内なる旅である。
この旅には、11の天体が道標となる。
中でも、キロン → 月 → 海王星が、ゆるしの旅における「出発点・過程・到達点」を形成している。
他の天体は補助的に関わり、より豊かな彩りを添えるが、核心はこの3つである。
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キロン:傷と向き合い、意味を知る(出発点)
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月:感情を抱きしめ、安全に解放する(道中)
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海王星:境界を超え、愛に還る(到達点)
1. キロン ― 傷の意味を知る
私たちは生まれる前から、すでにさまざまな傷を抱えている。
母の心のざわめきや家族の不安、社会や世界の不確かさ。
それらはまだ、言葉を持たない胎内にいても、魂に刻まれる。
そして、この世に生まれた瞬間、歓迎される喜びの中にも、孤独や不安、理解されない痛みはすでに存在している。
生きている限り、私たちは大小さまざまな傷を重ね続ける。
それは小さな誤解かもしれないし、取り返しのつかない喪失かもしれない。
キロンは、その痛みを、弱さではなく、魂を成長させる賢さの源であると告げる。
傷は避けるものでも、消すものでもない。その存在を認めることこそが、ゆるしの旅の出発点である。
傷と向き合うことは、過去の痛みをただ思い出す行為ではない。
それは、魂が生まれながらにして抱えた痛みからも、人生で積み重ねた痛みからも光を見つける行為である。
キロンは私たちに、痛みの奥に潜む知恵と強さを示し、旅の一歩を踏み出す勇気を与える。
胎内で、誕生の瞬間に、そして今も抱えるすべての傷を抱きしめること。それが、ゆるしの旅の始まりである。
2. 月 ― 感情を抱きしめる
心の奥底で揺れ動く感情を抱きしめる守護者。
月の記憶は、私たちの人生のすべてを知っている、心の奥深くにある貯蔵庫。
怒り、悲しみ、淋しさ、孤独、それらは決して押さえ込むべきものではない。
むしろ感情は、私たちが自分自身を理解するための扉である。
月はその扉を守り、涙やため息、もやもやとした感情のすべてを包み込む。
ゆるしの旅には、感情を安全に表現できる場所が必要である。
悲しみを感じ、怒りを抱きしめ、孤独と寄り添うことで、心は少しずつほどけ、柔らかくなっていく。
月は、感情の海を静かに照らし、心が迷わずに歩めるよう道を示す。
ゆるしは感情を消すことではなく、感情と共に生きること。
その先に、心の奥で忘れかけていた自分自身の温もりを感じる瞬間が訪れる。
3. 海王星 ― 影を超えて再生する
すべてを溶かし、愛に還る導き手である。
この旅の終わりに、私たちが辿り着くのは、加害者と被害者、自分と他者、過去と現在の隔たりを超えた場所である。
海王星は、境界を溶かし、痛みや怒り、怖れを霧のように優しく包み込む。
すべての分離感が溶け、私たちはひとつの命として呼吸する感覚に還る。
愛は条件を必要とせず、過去の重荷を問わず、ただそこに在る。
海王星はその愛を示し、魂が自由に広がることを可能にする。
ゆるしとは、決して忘れることでも、消し去ることでもない。
それは痛みを抱えながらも、愛の中で自分自身を取り戻す旅であり、魂が静かに光に包まれる行程である。
4. 太陽 ― 自分を認める勇気
太陽は自己の本質と価値を象徴する。
自分自身を受け入れ、愛することなしに、他者を許すことはできない。
太陽は、魂の核に光を当て、自分をまるごと抱きしめる勇気を与える。
5. 水星 ― 理解と表現
思考とコミュニケーションを司る水星は、内なる感情や痛みを整理する役割を持つ。
言葉にすることで感情は明確になり、癒しのプロセスは加速する。
日記や対話、内観によって、水星の導きは心の迷いをほどく。
6. 金星 ― 愛と価値を取り戻す
許せないとき、人は、自分が価値を失ったと感じている。
金星は告げる。
あなたは愛されるに値する。
美しいものに触れるとき、愛と喜びは再び息を吹き返す。
小さな美とやさしさが、ゆるしの心を育てる。
7. 火星 ― 怒りとエネルギーの昇華
火星は行動と情熱の天体である。
怒りや反発心を否定せず、昇華することで、許しのプロセスは現実的な力を持つ。
火星は、痛みを行動に変えるエネルギーを与える。
8. 木星 ― 希望と広がり
木星は拡大と信頼の象徴。
許しの旅によって得られる心の解放は、人生全体の視野を広げ、希望と成長につながる。
木星は、癒しの先にある可能性を照らす光である。
9. 土星 ― 時間と学び
土星は制約と学びを司る。
許しは一瞬で終わるものではない。
土星は、忍耐と深い理解を通して、癒しを確かなものにする。
10. 天王星 ― 目覚めと変容
天王星は革新と自由の象徴。
従来の思考や感情のパターンを揺さぶり、固定観念を解き放つ。
許しの旅において、突然の気づきや目覚めを与える存在である。
11. 冥王星 ― すべてを溶かし、愛に還る
ゆるしの終わりは、境界の消失である。
加害者と被害者、自分と他者、その隔たりを超えて、私たちはひとつの命に戻る。
冥王星は、その無条件の愛を示し、痛みを優しい霧の中に溶かしていく。
最後に残るのは、ただ静かな光である。
ゆるしの占星術の本質
この占星術は、罪や罰の概念ではなく、愛と再生のための星の導きを解くものである。
天体は語る
「ゆるすことは、誰かのためじゃない。あなた自身に自由を贈ること。」


