キロンの物~数年ぶりの発熱が与えてくれたインスピレーション
みぶきえみです。
数年ぶりの発熱で、体中が熱くてぐったり。
微熱だったんだけど。
回復したのは、11月1日。
1977年にキロンが発見された日だ。
キロンが発見された日のホロスコープでは、キロンは牡牛座3度で、私の太陽の真上。
ということで、キロンの物語を書こうと思う。
ゼウスの父クロノスは、ある時、海岸沿いを歩く、美しいピュリラーを見つけ、無理やり交わろうとする。
ピュリラーは驚き、馬に姿を変え逃げようとするが、クロノスも馬になって追いかけ、無理矢理ピュリーラーと交わってしまう。
ピュリラーは出産のときは本来の姿(人間に近い姿)で出産するが、受胎時に馬だったため、キロンは半人半馬の姿で生まれる。
この姿にショックを受けたピュリラーは、ゼウスに頼み、自分を菩提樹に変えてしまった。
出生の時に親がいなかったキロンは、アポロンやアルテミス、医神アスクレピオスに養育され、音楽、医学、予言、狩猟、医術に長けた、癒しの象徴的存在となった。
ある時、キロンはヘラクレスとケンタウルス族との戦いに巻き込まれ、ヘラクレスの放った毒矢が足に命中してしまう。
死に至る猛毒だが、キロンは、父親がクロノスという神なので、不死身だった。
そのためキロンは、生きながらにその毒矢の苦痛に苦しむことになる。
最後に不死をプロメテウスに譲り、自ら死を迎えることによって、毒の苦しみから解放されたのだ。
キロンの傷は、不死身だったことだろうか?
それとも、神であることを手放したことだったのだろうか?
キロンは生まれながらに・・・もっと言えば受胎の時から、母親に拒絶されるという、大きな傷を持っている。
本来自分を守ってくれるべき両親が不在の中で、育つことになるのだ。
しかし、キロンはこれを不幸だとはとらえず、養育者に感謝の気持ちをもって、素晴らしい成長を遂げる。
過去に負った傷を、自分がどう捉えるのかによって、成長の方向性が変わるともいえる。
もし、両親を恨んで育ったら、こんな風には成長しなかっただろう。
傷ついた心を癒すのは、憎しみの連鎖ではなく、傷から学び、自分を癒す事。
その過程で得た知識で今度は人を癒していく、つまりヒーラーになっていくのだ。
もし、恨みの気持ちを持ち続けていたとしたら、欠乏感に苛まれ、外側のもので自分を満たそうとしただろう。
私たちが、資格マニアや学歴にこだわるように。
現実的な面から見たら、育児放棄されたキロンも、高次の視点から見ると、男性性と女性性を溢れるほど与えられている。
これは、私たちが、どんな生い立ちを持っていたとしても、宇宙という視点から見たら、完璧だということ。
自らのブループリントとして、両親に見捨てさせたのだ。
キロンは、土星の世界から天王星の世界への橋渡しだ。
天王星が象徴する、個性化のためには、土星の枠組みを出る必要があり、そのためには、外に見せてきた偽りの自分が崩壊する必要がある。
キロンは、もともと、クロノスには養育されていないので、土星の枠を持っていない。
持っていないからこそ、理想や常識の枠組みで、自分を縛ってしまうのだ。
キロンの傷は、扱い方を間違えると、その傷の大きさゆえに、同じように他者を傷つけるという、破壊行動となることがある。
しかし、きちんと自分が傷ついていることを受け入れることで、傷を持ちながらも・・・といより、持っているからこそ、多くの人への奉仕の扉が開かれるんだろう。
ちょっと不消化だけど、いったん終わり。