土星から冥王星への変容のプロセス

トランスサタニアン~天王星、海王星、冥王星

トランスサタニアンとは、土星よりさらに遠い天体である天王星、海王星、冥王星のことを指している。

天王星の発見は1781年・海王星の発見は1846年・冥王星の発見は1930年。

もともとの占星術のシステムは、肉眼で見える天体のみでできあがっていたが、近代になって望遠鏡が発明され、天文学が発達した後、土星以遠の惑星が次々に発見された。

基本的に、3天体にはそれらが発見された時代を、映し出すような象意を与えられている。

トランスサタニアンは、肉眼では見えない星なので、象意においても、意識に上りにくいものごとを示すと考えられている。

私たちの無意識、時代が抱いている集合的無意識、リアルタイムでは意識化しにくいものが、トランスサタニアンの領域だ。

 

土星から冥王星にへの変容のプロセス

人生の変容は、土星から冥王星に至る流れで理解できる。

土星は秩序や社会のルールを象徴し、安心と制約をもたらす。

天王星は自由を与え、古い法則や価値観から解放される力を促す。

しかし、海王星がなければ自由は理由なき反抗に終わる。

海王星は変化の目的や精神性を明らかにし、情緒的な満足を求める道を示す。

最後に冥王星は、破壊から創造へと導き、真に自分を生きるための基盤を再構築させる。

このプロセスを理解することで、古い秩序から自由、夢、そして創造へと至る変容の道筋が見えてくる。

 

土星 - 群集の秩序と基盤

土星は群集の秩序や社会のルール、親や周囲から受け継いだ価値観を象徴する。

人は、みんなが同じであることに安心感を覚える。

しかし、無条件に信じてきたものは、本当に自分の人生を豊かにしているのか。

土星の世界は安全であるが、同時に自分らしさを押し殺すこともある。

まずはその秩序の意味に気づき、自分にとって本当に必要なものは何かを問い直すことから変容は始まる。

 

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天王星 - 自由と現代化

土星の秩序が重く、窮屈に感じられるとき、天王星のエネルギーが発揮される。

天王星は、古い構造を破壊し、新しいものを生み出す力を持つ。

今までの法則や親から受け継いだ価値観から自由になり、自分らしさを追求する勇気を促す。

この自由がなければ、群集心理に押しつぶされてしまう。

しかし、自由だけでは理由なき反抗に終わる危険もある。

単なる逸脱や反抗ではなく、意味ある変化を目指すことが求められる。

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海王星 - 精神性と夢

天王星の自由だけでは混沌や不安に流されることがある。

ここで海王星のエネルギーが介入する。

海王星は、なぜ変わろうとしているのか、どの方向に向かうのかを明らかにする。

物質的な成功ではなく、情緒の満足や精神性を求め、本当の自分を表現する喜びを教える。

しかし、精神性や夢だけでは現実逃避になる危険もある。

日常の中で、それを体現し続けられるかが試される。

海王星の力がなければ、自由を手にしても理由なき反抗に終わり、方向性を失ってしまう。

音もたてずに現れる、海王星の夢の世界

 

冥王星 - 破壊から創造へ

冥王星は、破壊を通じて新しい秩序を創造する力を持つ。

土星の基盤、天王星の自由、海王星の精神性を土台に、新しい自分を現実の世界で体現する力を与える。

冥王星のエネルギーがなければ、精神性や信念は理解しても行動に移せず、変容は停滞する。

破壊の体験を経て、基盤を再構築し、本当の意味で自分を生きる道にたどり着く。

痛みを伴う体験であっても、それは新しい創造への力となり、真の自由と自己実現へと導く。

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4つの天体の流れ

土星は群集心理を示す。

天王星がなければ、それに押しつぶされる。

天王星は今までの法則から自由になり、親からも自由になる。

海王星がなければ、自由は理由なき反抗に終わる

海王星は、なぜ変わろうとしているのかを明らかにし、情緒的な満足を追求する。

しかし冥王星がなければ、精神性や信念はあっても行動できない。

冥王星は、本当の意味で自分を生きるために、すべてを壊し、基盤を再構築する。

この4つの天体のエネルギーが連動することで、破壊と再生を経た真の変容が可能となる。

 

変容の物語(フィクション)

これは、この変容の過程を、私が物語として書いたもの。

私自身の経験や、沢山のクライアントさんの経験をもとにしてるけど、フィクション。

 

彼女は長いあいだ、周囲の期待に沿って生きてきた。

上司の目、同僚の評価、家族の価値観。

それに従うことが正しいと信じ、安心感に身を委ねていた。

しかし、その生活にむなしさを感じ、胸の奥には小さな違和感が渦巻いていた。

自分の声を押し殺し、笑顔の裏で疲れ果てている自分が確かに存在していたのだ。

土星の秩序は安全と安定をくれるけれど、その温もりの影には、知らず知らず自分らしさを閉じ込めてしまう冷たさも潜んでいた。

ある日、彼女は立ち止まり、自分自身に問いかけた。

これは本当に私の人生を豊かにしているのだろうって。

その瞬間、胸の奥で何かがざわめき、天王星の風が吹き込むのを感じた。

古いルールや親の期待の重みから解放され、自分自身の道を歩きたいという渇望が、小さな炎のように胸に灯る。

周囲の反対の声や先行きの不安が波のように押し寄せても、彼女は震える手で勇気を握りしめ、自分らしさを選ぶ決意をする。

自由の喜びは鮮烈で、体中に血が巡るような高揚をもたらす。

しかし、その喜びだけでは迷子になりやすく、ただの反抗に終わる危うさもあった。

迷いの霧の中、海王星の光が静かに差し込む。

なぜ私は変わろうとしているのか。

どの自分を目指すのか。

物質的な成功ではなく、心の満足や情緒の豊かさを求める道、それを教えてくれる光だ。

彼女は趣味のアートに没頭し、色や形に自分の感情を解き放つ。

日常の些細な瞬間に、自己表現の喜びをかみしめる。

しかし、夢や精神性だけでは現実から逃げてしまう危険もある。

行動に移し、現実を生きなければ、変化は朝靄のように消え去ってしまう。

そして、冥王星の深い力が訪れる。

古い秩序は崩れ、失うものがある。

胸の奥には、長年抱えてきた葛藤が渦巻いていた。

どんなに親に認められ、愛されたいと思ってきたか。

その気持ちが強ければ強いほど、反発し、自由になろうとする自分を責めてきたのだ。

愛されたい気持ちと、自分を生きたい思いがぶつかり合い、孤独と痛みが深く胸を締めつける。

しかし、冥王星の力はその痛みを無駄にせず、破壊の中で新しい秩序を創造する力に変える。

親への愛や期待に押し潰されそうになった自分も、反発し続けて迷った自分も、すべてを抱きしめながら、自分自身の道を歩むことを選ぶ。

痛みや葛藤はもはや重荷ではなく、自己を立ち上げる力となる。

ついに彼女は、本当に自分を生きるための基盤を、愛と反発の両方を糧に再構築した。

 

変化の時期

変化の時期は、ホロスコープに示されてる。

一般的な変化の時期は以下。

土星:29歳ごろに起こる、サターンリターン(土星回帰)

天王星:42歳ごろに起こる、天王星のハーフリターン

海王星:40代前半

冥王星:30代後半から40代半ば

 

これに加え、トランスサタニアンが、ホロスコープの太陽や月に、重なる時期が重要。

 

私の変容の旅

土星のリターンの時期、私は離婚を経験し、実家で暮らしていた。

長年慣れ親しんだ、家族の秩序の中に身を置きながらも、心の奥底では息子たちと一緒に暮らしたいという思いが芽生えていた。

結局、私は息子たちと3人で暮らす選択をし、同時に親との価値観の決別を経験した。

土星は安全と安定を与える一方で、自分らしさを押し殺す秩序の象徴であることを痛感した瞬間だった。

天王星のハーフリターンでは、古い枠組みからの自由が訪れる。

私は起業を決意した。

そうして、未来を描く中で、病気を克服し、退職し、再婚するという大きな変化を経験した。

親や社会の期待から解放され、自分自身の道を歩む勇気を手にした。

しかし、その自由は、方向性や精神性が伴わなければ、単なる反抗や混乱に終わる危うさもあった。

私の中に奥深く眠っていた、無価値感には気づいていなかった。

海王星のスクエアは、41歳での出来事として深く刻まれている。

カラーセラピーに出逢い、スピリチュアルな世界を知ったことで、なぜ私は変わろうとしているのか、自分はどんな人間でありたいのかと、問いかけるようになった。

物質的な成功だけではなく、心の満足や情緒的な豊かさを追い求めることが、この時期の私にとっての光となった。

そして55歳、冥王星と月のコンジャンクションの時期に、私はすべてが壊れていく経験をした。

母を亡くし、今までの喪失体験が明らかになった。

これまでの抑圧や古い価値観が一気に崩れ去る中で、親への愛と反発の葛藤も浮き彫りになった。

だが、その破壊の中でこそ、私は自由と信念をもって、本当に自分を生きる基盤を再構築できた。

痛みを伴った経験は、もはや重荷ではなく、私を立ち上がらせる力となった。

こうして土星で秩序を見直し、天王星で自由を手にし、海王星で精神性と夢を抱き、冥王星で破壊から創造へと進む。

私自身、この道のりを歩み、今は自由と自己実現を伴った人生を生きている。